レーニンジャーの新生化学:第5版 第1章

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レーニンジャーの新生化学

レーニンジャーの新生化学 第1章をまとめています。各内容ごとに例題と答えがありますが、これは教科書を基準に書いております。

第1章は生化学の基礎です。

細胞の基礎

内容

細胞は細胞膜に囲まれ、その内部にはサイトゾル(水溶液部分)と細胞小器官が存在する。

細胞の大きさはその機能の保持のために下限と上限がある。

細胞は細菌、古細菌、真核生物の3つに分けられる。

細胞小器官は遠心分離によって単利して研究することができる。これはin vitro(試験管内で)の実験)が可能であることを示すが、in vitroの実験は重要な他の生体内での相互作用を見落とすことがある。

細胞質の三次元構造は、アクチンフィラメント、中間径フィラメント、微小管からなる細胞骨格によって形が保たれている。

例題

1.タンパク質を合成する細胞小器官、不要なたんぱく質を分解する細胞小器官をそれぞれなんというか。

2.好気的呼吸と嫌気的呼吸では代謝燃料分子から得た電子をそれぞれ何に伝達するか

答え

1. タンパク質を合成する細胞小器官 :リボソーム、
不要なたんぱく質を分解する細胞小器官 :プロテオソーム

2.好気的呼吸:酸素分子
嫌気的呼吸:硝酸塩、硫酸塩、CO₂など

化学的基礎

生体は、90以上の天然元素のうちわずか22種類の元素しか用いていない。さらにそのうち水素、窒素、酸素、炭素が質量の99%以上を占める。

生体分子は基本的に炭素骨格に様々な官能基が付加することでその化学的、生物学的性質を得る。

多くの生体分子は立体異性体を持ち、立体異性体が異なると、その生物学的性質は大きく変化する。

例題

1.細胞内の小分子化合物全体の総称、ある細胞内で機能するすべてのタンパク質の総称をそれぞれ何というか

2.エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体について説明せよ。

答え

1. 細胞内の小分子化合物全体の総称 :メタボローム
ある細胞内で機能するすべてのタンパク質の総称 :プロテオーム

2.エナンチオマー:鏡像異性体(互いに鏡像関係にある異性体)
ジアステレオマー:鏡像関係でない異性体
ラセミ体:鏡像異性体が1:1の割合で混合された溶液

物理学的基礎

系と外界を合わせて宇宙という。生物系は外界からエネルギーと物質を受け取るので開放系である。エネルギーのみを受け取る系を閉鎖系、エネルギーも物質も受け取らない系を閉鎖系という。

熱力学第二法則により、宇宙は常に無秩序な方向に向かっている。生物が秩序だった自己を作るためには、エネルギーを得る必要がある。

生物体は、エネルギーをATPという形で保存する。生物が秩序を保つには、エネルギーを消費する吸エルゴン反応は必要不可欠である。ATPが加水分解される反応は発エルゴン反応であり、この反応が共役することによってはじめて吸エルゴン反応が遂行される。

例題

ATPの加水分解反応が発エルゴン反応となるのはなぜか説明せよ。

答え

ATPは細胞内で常に高濃度に保たれている。つまり、ATPは異化によって生成される段階で平衡から大きく外れるのである。したがってATPが加水分解されてその濃度が減少する反応は、ATPの濃度が平衡に向かう反応となり、反応前よりも反応後のほうが安定といえる。したがってATPの加水分解は発エルゴン反応となる。

遺伝学的基礎

遺伝情報は、DNAによって保持される。

細胞分裂の際は、DNAの二重らせんが解離した後、それを鋳型として新たにDNAが複製される。

DNAによってコードされたタンパク質は、その後折りたたまれて三次元構造を得る必要があるため、DNAの情報だけではタンパク質の発現に関しては十分ではないといえる。

進化論的基礎

1953年、Stanley Millerは、前生命期に地球上に存在したと思われる、NH₃・CH₄・H₂O・H₂の混合気体に、電気火花を稲妻の代わりとして1週間浴びせ続けたところ、アミノ酸やヌクレオチドなどの生体分子が気体中に含まれていた。
この結果から、最初の生体分子はこのような非生物学的経路を通して生じたと考えられる。

初期の地球において、最も活躍した分子はRNAだと考えられている。RNAは、遺伝情報を保持する機能に加え、酵素としても働くことができることが知られている。(そのようなRNAをリボザイムという。)RNAは、のちに遺伝情報の保持をDNAに、酵素機能をタンパク質に渡し、現在のDNAワールドを形成したと考えられている。

DNAは膜を獲得して細胞となった。最古の細胞は、空気中に酸素が存在しないため硫化鉄や炭酸鉄などの無機物質からエネルギーを得ていた。この嫌気呼吸性細菌は光合成細胞が出現して大気中の酸素が急増すると死滅し、好気呼吸性細胞が主流となった。

これらの細胞の一部は、ミトコンドリアと共生して動物細胞の祖先となり、また一部はシアノバクテリアと共生して光合成機能を得て、植物細胞の祖先となった。シアノバクテリアは後にプラスチド(葉緑体)となる。

例題

ホモログ、オルソログ、パラログについて説明せよ。

答え

ホモログは、相同遺伝子からコードされる類似のタンパク質のことで、オルソログとパラログを含む。
オルソログは、異種の生物の中に見られる相同タンパク質のこと。これは同じ祖先から分化した結果、どちらの生物もその遺伝子を持ったことがオルソログ存在の理由だと考えられる。
パラログは、同一の生物の中に見られる類似タンパク質のこと。これはまず、遺伝子重複という遺伝子変異が起こることで、遺伝子を含むDNA領域が別のDNA領域にもコピーされた後に、それらが徐々に遺伝子変異によって変化することでパラログが生じたと考えられる。

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