レーニンジャーの新生化学:第5版 第3章

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レーニンジャーの新生化学

薬学部がまとめる生化学。第3章はアミノ酸、ペプチド、タンパク質です。

ちょっとずつわからないことが出てきて、コラムの難易度が上がってきました。

アミノ酸

アミノ酸はタンパク質の構成成分であり、カルボキシ基とアミノ基を持つ。グリシンを除くすべてのアミノ酸は不斉炭素原子を持つが、生体のタンパク質として利用されているアミノ酸はすべてL型である。

標準アミノ酸は20種類であるが、翻訳語修飾を受けることで活性を調節するなど、そのままの形でたんぱく質に利用されているわけではない。また、オルニチンやシトルリンなど、タンパク質に利用されないアミノ酸なども存在する。ちなみにこれらはアルギニンの生合成や尿素回路において重要な役割を果たすアミノ酸である。

アミノ酸はその構造上の特徴から、非極性の脂肪族R基、芳香族R基、極性非荷電性R基、正電荷性R基、負荷電性R基に分類される。

アミノ酸はすべて両性分子であり、pHによって異なるイオン種として存在する。

例題

1.アミノ酸を非極性の脂肪族R基、芳香族R基、極性非荷電性R基、正電荷性R基、負荷電性R基に分類せよ。(あくまでこの教科書に書かれている分類です。)

2.280nm付近の紫外線を吸収できるアミノ酸は、(①  )と(②  )である。これが、ほとんどのタンパク質が紫外線を吸収できる理由である。
(③  )は酸または延期によって容易に加水分解されてアスパラギン酸になる。(④  )も同様である。
2個のシステインがジスルフィド結合によって連結した二量体アミノ酸を(⑤  )という。

答え

1.
非極性の脂肪族R基:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン
芳香族R基:フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン
極性非荷電性R基:セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン
正電荷性R基:リジン、アルギニン、ヒスチジン
負荷電性R基:アスパラギン酸、グルタミン酸

2.①トリプトファン ②チロシン ③アスパラギン ④グルタミン ⑤シスチン

わからなかったこと
アミノ酸のNH₃⁺がNH₂になる反応のpKaは平均的なアミノ基の脱プロトン化反応のpKaよりも小さい理由。教科書には、「カルボキシ基中の電気陰性度の高い酸素原子は、アミノ基から電子を引き離すので、pKaは低下する。」と書かれているがよくわからん。COO⁻とNH₃⁺で逆の電荷を帯びるからむしろ安定化してH⁺が抜けにくくなる気がする。

ペプチドとタンパク質

アミノ酸はペプチド結合によって連結する。2~5アミノ酸程度のペプチドはオリゴペプチド、分子量10000以下のペプチドはポリペプチド、それより大きいペプチドはタンパク質と呼ばれる。
オリゴペプチドも重要な生理活性を示し、例えば視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンはたったの3残基のアミノ酸からなるオリゴペプチドである。

ペプチドは左にN末端、右にC末端を置き、左から読むというルールがある。

ペプチド結合の加水分解は発エルゴン的であるが、活性化エネルギーが非常に大きいので結果的に非常に安定で、半減期は7年ほどである。

タンパク質は1つのペプチドからなるものもあれば、いくつかのサブユニットが非共有結合によって会合しているものもある。モノマーは単量体、オリゴマーは数個のモノマーが重合したもの、ポリマーは重合体、プロトマーはタンパク質サブユニットのことを指す。

タンパク質はアミノ酸のみからなるものもあれば、脂質、糖質、金属などの補欠分子族が結合した複合タンパク質として存在するものもある。

例題

インスリンは二つのポリペプチドがジスルフィド結合によって結合しているが、このような場合、一つ一つのポリペプチドはサブユニットといえるか。

答え

言えない。サブユニットはあくまでポリペプチド同士が非共有結合したものである。このような場合は、単純に「鎖」と呼ばれる。

タンパク質研究法

タンパク質の精製や分析は様々あるが、タンパク質は組織や微生物細胞から採取するので、最初は必ずそれらを破砕して粗抽出液に遊離させる。そこから塩析、遠心分離、カラム分画、電気泳動などを用いて目的タンパク質を精製、分離、分析する。

カラムクロマトグラフィーは、タンパク質の分画に優れている。イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、HPLCなどがあり、各タンパク質の固有の特性を利用して分離・精製することができる。

電気泳動は、SDSゲル電気泳動が最も一般的で、これはタンパク質のゲル中での移動度が分子量に相関することを利用してタンパク質の分析を行う手法である。SDSは負電荷をもっており、アミノ酸2残基あたり約1分子結合するため、タンパク質固有の電荷を排除して全タンパク質において電荷/質量を一定にするために用いる。
電気泳動でタンパク質を分析する方法は他にも等電点電気泳動や二次元電気泳動などがある。

例題

イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーについて説明せよ。

答え

イオン交換クロマトグラフィー:タンパク質の実効電荷によって分離する方法。陽イオン交換クロマトグラフィーに関しては、陰イオンの官能基が結合したポリマーでできたカラムにタンパク質を通す。すると、実効電荷が+であるタンパク質はこのポリマーにトラップされ、移動度が落ちてゆっくりと流れだす。陰イオン交換クロマトグラフィーはその逆で、実効電荷がーのタンパク質がゆっくりと流れだす。
サイズ排除クロマトグラフィー:タンパク質の質量によって分離する方法。特定の大きさの孔をもつカラムにタンパク質を通す。すると、小さなタンパク質はその孔に入ることで移動度が減少するが、大きなタンパク質は孔の周辺を通って速く流れだす。
アフィニティークロマトグラフィー:タンパク質の結合親和性によって分離する方法。カラムにタンパク質のリガンドを用意しておくことで、リガンドと結合能を持つタンパク質は固定相にトラップされ、移動度が落ちる。結合能を持たないタンパク質は速く流れ出す。

タンパク質の構造:一次構造

タンパク質の一次構造とは、アミノ酸配列のことである。アミノ酸配列はタンパク質の機能、構造を決定するにおいて最も基本的で重要であるが、四次構造まで考慮しなければ決定できない。

現在タンパク質のアミノ酸配列はそのほとんどが同定されている。大きなタンパク質の構造を決定する方法はある程度決まったプロセスを踏む必要がある。
①断片化→②各断片の配列決定→③各断片の順序の決定 である。
①はトリプシンなど、酵素を用いればよい。この時、必ずジスルフィド結合を切断する必要がある。
②はエドマン法が用いられる。エドマン法は簡単だが、説明には図が必要なので書かない。
P. 134参照
③は別の酵素を使用することで重なっている部分をつなげていけば順序を決定できる。

現在は、100残基程度のアミノ酸なら固相ポリマー支持体上でN末端を固定して生成すれば、収率80%くらいで2日で作成することが可能である。

このように決定されたタンパク質のアミノ酸配列は、当然各たんぱく質の機能や構造を決定する際にも重要であるが、たんぱく質のアミノ酸配列は遺伝子の塩基配列で決定することから、生物進化の過程を研究する際にも非常に重要な役割を示す。

例題

1.コンセンサス配列 [AG]-x(2,4)-G-{W} について、とりうる配列の1つを例として示せ

2.
人のタンパク質の(①  )%は多型を持つ。しかしこれらで変化しているアミノ酸は、機能にほとんど影響を与えない場合がほとんどである。
ジスルフィド結合を切断するには、(②  )または(③  )を加えればよい。③を加えた場合、SHが残ってしまい、再び架橋されてしまうので、(④  )を加えてカルボキシメチル化する。

答え

1.A-W-W-W-G-M
[]で囲まれている場合、[]内にある、いずれかの残基が入る。xは何でもよい。()内の数字は、この場合2~4個の残基が入ることを意味する。Gは決まっている残基。{}で囲まれている場合には、{}内にある残基以外の残基なら入りうることを示す。したがってW以外なら何でもよい。

2.①20~30 ②過ギ酸 ③ジチオトレイトール ④ヨード酢酸

わからなかったこと
タンデム質量分析の原理、グラフの読み方はわかった

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